インタビュー・シリーズ
ーinterviewー

第5回対談:「伝統産業企業の『ことづくり』への挑戦」
株式会社下村漆器店 代表取締役社長 下村 昭夫 氏

岩田会長(以下、岩田):
 このたびは「社長インタビューシリーズ」でお話を伺う機会をいただきまして、まことに有難うございます。今回は社長として就任された以降を振り返っていただきながら、同時に、次の時代に向けての視点も踏まえつつ、社長としての想いを語っていただきたく思っています。
 早速、質問に入らせていただきます。
 下村社長が率いる、(株)下村漆器店は、「伝統的な漆器づくり」から脱皮して、ユーザのニーズ、とくに心理的願望をベースに新しい「コトづくり」あるいは「コトづくりシステム」を実現されようとしておられるように見受けられます。同時に、「コト」を実現する上で不可欠となる「もの」、すなわち、新技術を背景とした「食器とその付帯設備」の創出、私流に言わせていただきますと「コトものづくり」にも注力されておられる感じがしています。
 まず、経営者として思考を重ねられてこられた「経営理念(ミッションや行動指針)」のポイントについて、ご紹介くださいませんか。

 

下村社長(以下、社長):
 まず、経営理念は従来ほとんど気にしたことはありませんでした。ところが、それは、少し前に質問を受けてから社内を見渡すと、現会長が社長時代に作られて社内に張ってあったのです。そこには、次のような3項目がありました。 
 第一は、ものをつくることによって文化、産業、社会に貢献する。第二は、夢を持ち挑戦して信頼を築く。第三は、正直なものづくり、でした。
 下村漆器は、私で4代目の家族経営ですから、経営理念などと正面切って話されることはありませんでしたが、生まれてから家族の中で共有されていた一面があったのかなと感じるところはあります。とくに、「正直はものづくり」は身に染みているような思いがあります。

 

岩田:
 いま言われた「正直」というのは深い言葉ですね。「お客に正直」「自分に正直」「正直な経営」などは伝統的な産業の底流に流れてきた思想のように思いますが、最近では再び注目度が増しているのではないでしょうか。新しい事業を展開なされようとしている社長は、どんな理念を引き継ぎ、どの部分を変えたいと思っておられますか。

 

社長:
 先代の時代は大量の注文に追われていた印象が残っています。注文に間に合わさねばならないことから、本当に正直なものづくりができていたであろうか、ふと内心忸怩の気持ちが頭に浮かびます。不良品は勿論出していませんが、120%最高の製品だったかどうかという意味です。
 私自身の体験を少し話させてください。「誰にでもできない表面処理」といわれた仕事を請け負った時のことです。その作業は試行錯誤の連続で、温度や湿度の管理なども含め、マニュアル化はされていませんでした。もちろんチェックリストもありません。受注した商品の生産作業が、頭の中にある通り、第1工程、第2工程と順次進みました。各工程がしっかりと行われた積りでした。しかし、最終段階近くになって、何かおかしいということに気が付きました.勘が働いたのです。商品である漆器が要求通りかどうかは、見た目は誰にも分かりません。正しかったかも知れません。しかし、自分の勘があげた疑念には正直に対応しよう思いました。納期が迫り、費用の損失も大きかったのですが、やり直しを決断しました。職人さんたちや周囲の不満の声の中、謝りながら昼夜を問わず作り直し、納品しました。自分の頭の中に経営理念という言葉は浮かびませんでしたが、今になって思いますと、自分の思いは経営理念と一体だったのではないかと、少しこじつけかもしれません。
 ただ、この理念の継承は必ず守りたいと思っています。もちろん、失敗のあと、しっかりとしたチェックリストは完成させました。

 

岩田:
 体感を通して生まれた理念の継承のお話、よくわかりました。当時から比べれば、現在はかなりステップアップの方向に進もうとされてように思えますが、最近の企業経営において、社長ご自身がうれしく思われたり、あるいは心のときめき(感動とでもいいましょうか)を感じられたことはありましたでしょうか。あれば、ご披露くださいませんか。

 

社長:
 仕事のことでいいますと、2000年にAGPからIHカートの開発依頼を受けた時です。世の中の変化を感じました。一種の身震いを覚えました。その時点では食器に生食材を入れることはなかったのですが、食器の加熱は従来の常識を超えていましたし、世の中の仕組みが変わるかもしれないと思いました。しかも我々のような零細へ制作依頼がきたことに驚き、当時、私は専務でしたがある種のときめきに襲われました。

 

岩田:
 IHと食器との結合のスタートは外部からの依頼でしたか。

 

社長:
 はい。そうです。JALグループのAGPからの依頼でした。発注元は自分のところ以外にも大企業を含めて多くのところに依頼をかけ、殆どうまくいかなかったことから廻り回って、我々のところへきたことを後になって知りました。 
 もう一点、嬉しかったこと。
 IHを用いたインカートクッキングシステムで調理した食事に、ユーザから「おいしかった」と言われたことですね。よかった。嬉しかった、との思いで一杯でした。

 

岩田:
 お客の「おいしかった」という第一声はモチベーションを高めますね。
 逆に、苦しまれたこと、解決が困難と感じられたことは何かありましたか?

 

社長:
 先ほどの開発依頼を受けた後の話です。受託条件は、開発に失敗したらお金は払わない、納期は半年ということでした。自分の頭の中では実現へのアプローチはほぼ出来上がっており、自信をもって実行へ取り掛かったのです。ところが、いざ始めてみると自分の思い通りにいかないことが1か月ぐらいで分かりました。アドバイスを受けた、東レの樹脂研究者に相談すると、「無理です」の返事。その時の苦しみは恐ろしいものでした。終わったな。と。困り果て、一週間ほど言い訳ばかりを考えていました。
 行き詰った時、「言い訳をしない方法は」との思いが浮かび、プラスティック樹脂研究者からいただいた「樹脂の気持ちになってみたら」というヒントで一から再スタート。「決してあきらめない」という気持ちで、1,2か月、ほとんど寝るのを惜しんで試行錯誤の実験を重ねました。そして、かすかな光が見えました。今だから話せます。

 

岩田:
 他に何か事例はありましょうか。

 

社長:
 先ほどの「おいしい」という話を出しましたが、逆に「こんな不味いものは食べられない」と言われたことがありました。その時、料理を作ることの難しさが身に沁みました。500~600種類のメニューを一つ一つ再検証することに繋がりました。

 

岩田:
 そのお話は、「食器は食べるものをつくるため」、「つくられたものはおいしいという食への満足感を満たすため」、「満足感は健康的なQOLを支えるため」、こういったコトづくりへの一連の流れを経験されたのでしょうね。新しいコトは、お客との関係の中で生まれる、最近よく聞く、共創と絡んでいましょう。

 

社長:
 そんな感じがいたします。

 

岩田:
 ところで、下村漆器は新事業創出の過渡期にあるように見受けられますが、「事業の定常化、安定化」に向けて注力されている考え方や実現の方策などがありましたら、ご紹介ください。今後の成長に向けて最重要な課題はどのように考えておられますか?

 

社長:
 食器でいえば、高度成長時期には、作っただけ売れたことにあまんじていましたので、人口減少、ライフスタイルの変化に対する食器のあり方を見失っていました。また、漆器という単なる食器への要望が価格一辺倒になっていたように思っていました。ビジネスはBtoBを基本としていましたので、最終ユーザが食器に何を求めているのかわからず、また、我々も何を作ればよいのかわからなくなっていました。
 そこで少し視点を変えてみたのです。食器を使用しているユーザの心理的願望を見抜ければ、一歩前進できるのではないかと。願望の解決に、食器に新し機能を付加することを考え、開発を行いました。今までやられていない開発をさせて頂く喜びは開発者冥利に尽きます。食器だけでは達成できない場合にはハードとソフトを融合させる。このように、食器が売れる仕組みを考え続けました。ほぼ完成したので、当面は、インカートクックシステムを別会社で販売し、下村漆器店本体は食器製造に集中し、安定化を目指すつもりです。我々の食器(ものづくり)を使わなくてはライフスタイルが成り立たない仕組みつくり。こんなライフスタイルになれば、もっと幸せになれる。この流れも一つの柱にするつもりです。
 これとは別の柱として、セラミックコーティング事業、磁性体コアなどあり、可能性が広がってきているように思えます。例えば、水素貯蔵膜や、SiC、センサー類の超耐久性で長寿命化させる薄膜コーティング技術など。こちらのテーマは、弊社では、まだ、ことづくりのレベルには結びついていません。
 このように核となる柱を作っていくことが企業として安定化できると考えています。しかし、従業員も資金も小さいため、力の分散が気になっています。
 そこで私が考えている開発の基本は、「大きな投資をしなくてもすむ方法」です。言えば、人間の触覚中心で行え、固定費を増やさず、できる範囲で新事業展開を、まずは行い、少し体力がついた段階から、次のステップに進めればと思っています。

 

岩田:
 企業業績を向上させている一つの基本的背景として「技術開発」があるようですが、「技術開発」における基本的な考え方、例えば、①開発課題の選定、②課題に取り組む社内の体制や社外との連携、③開発の成否の判断、④事業化への仕組み、などについてご紹介いただけませんか。その実行段階における社長の関わりはどのように理解すればよろしいでしょうか。
 同時に、最近注目されている「オープン・イノベーション」をどのように見ておられますか。お気づきの点がありましたら、とくに中小企業の立場からのご意見をお聞かせください。

 

社長:
 まず、開発課題の選定ですが、お客様からだされるのが一般的です。その場合、私は「ご縁があるな」と考え、できる範囲で簡単な試験を行います。可能性があるかないかは未だに直感です。比喩的に言えば、結婚みたいなものでしょうか。社員がやってみたいといわない限り社長の独断と直感で対処しています。簡単な試験ができなく、私の中で先の見えないものは価格を考える前に、基本的に挑戦しません。
 次に、費用対効果の考え方ですが、開発にかける時間は自分と嫁ですから時間は充分にあります。一方、お金はかけられないのでかけないですむ方法を考えます。
 課題に取り組む社内の体制ですが、いま言いましたように、嫁と私で90%流れを作ります。試作や、実験はもう一人のドクターが行います。社外で関係をもっているのは,福井工業技術センターと福井大学です。両者には私たちの考えが正しいかの判断を、分析依頼の中でお願いしています。とはいえ、その判断するための評価技術は素晴らしいものをもっておられると思っています。
 開発の成否の判断について言いますと、目標数値も大切ですが、最後はユーザ次第といったところでしょうか。数値に届かなくてもOKを出すことを多く経験しています。使えるか使えないか。クレームがこないかどうか。将来に繋がるとは誰も言ってくれません。我々の企業に依頼がある開発の多くは、できないことを「できる」に変えてくれがほとんどです。我々に依頼がある開発は○か×、どこに聞いてもやってくれない。達成できない、ことが多いので楽観的ですが、誰もできないからできなくて当たり前と思っているみたいです。期待値が低いのでユーザの満足度が高いのかも知れません。これは、磁性体コアなどの機能性コーティング技術開発の時に特にいえました。また、最初のAGPとの取り組みもそうでした。
 最後の事業化への仕組みですが、事業化させることは弊社の開発から見るとあまり難しいことではありません。それはもともと大掛かりな装置に頼る方法でなく、人間の感覚に依存することが多いですからです。問題は、弊社のみの設備でできないとき、どうしても設備が必要なとき、たとえば、食器の本体を成型することなどでは、地域の成型工場に依頼をします。基礎となる技術レベルが低い場合には事業化までに時間が掛かります。
 事業化の事例を述べてみます。
 インカートクック事業は、最初は、自分で納得するまで事業化しませんでした。納得できなかったのは、事業として成り立つのか、そんなことをして食器が売れるのか、本当に市場の心理的願望はそうなのか、が不安でした。そのため、国の委託開発事業や、福井県の補助制度に応募しヒヤリングを繰り返し、いろんな人の評価を受け考えました。ものづくり大賞に応募したのもそうでした。今では、岩田先生にほれて頂きましたので、事業化に乗り切れることができました。
 オープン・イノベーションという言葉は話としては知っています。しかし、我々は家内と私のクロス・イノベーション段階です。オープン化は自分の枠からはみ出るチャンスかと思いますが、どこまでオープンにするかについてやり方をよく考えないといけないと思っています。オープン・イノベーションは我々零細にとっては悩みの多い課題で、今後検討し続けたいと思います。
 同時に、自分たちの技術の確保、また特許問題もなやましい問題です。自分たちのみが実現可能な薄膜接着技術について、その理由を明らかにしたいという大学の先生の要望に応えて種々のデータを出しました。論文に自分の名前が載せてもらえることで大変に名誉なことと思って協力しました。しかし、いったん論文になれば、この大切なデータや方法は公開となります。そのことはプラスに作用することもマイナスに作用することもでてきます。特許についてもプラスとマイナスがでてきます。これまでのところ、「真の核になるノウハウは特許にしない」というブラックボックス戦術をとっています。

 

岩田:
 企業は継続することが最重要な経営課題と言われています。「企業レベル、事業レベルの継続」について、現在どのようなことを考えておられますか。将来に向かってとくに留意しておかねばならない要因について、どのように思っておられますか?

 

社長:
 二つの柱で考えているのが現状です。
 一つはコーティン技術の実用化ですが、これはお客様の要望が先行していますから我々は受け身です。もう一つの柱はインカートクッキング事業で、能動的なアプローチといえます。これは最終ユーザが対象になりますからお客の要望を満たさねばなりません。お客の声を聴いてから対処するのでなく、お客のだしそうな要望事項を自分たちが先読みして実現化することに徹しています。この背景になるのは如何に客の生の声を正確に早く理解するか、声なき声を聴くことができるかにかかってきます。そして、「自分が購入側の客ならば、どんな条件を満たせばよいか」、徹底的に考え、正直なものづくりを実施する基本を守るように考えます。信頼し信用していただける理念を先行させています。もちろん利益の面も忘れないようにはしますが。

 

岩田:
 企業は継続と生存のために、安定的に収益を得る「仕組みづくり」を考えることが不可欠ですね。現在、どのような考え方と方法で売り上げと収益を得るように工夫されていますか。その方法は独自のものでしょうか。あるいはどこからかヒントを得られたものでしょうか。

 

社長:
 漆器という伝統商品は販売して利益を出すことがかなり難しくなってきています。如何に利益の出る体質になっていくかは大問題というのが実情です。つくる立場から言えば、その製品製造に正直に向き合うことと信じています。手抜きしたくなることや、まあいいかと考えることを絶対にやらない、ということでしょうか。ただ、どういうわけか、我々のところは幸いにも一度開発した製品はロングヒットになっています。
 収益を得て、これを地域貢献に結び付けることは非常に関心のあるところです。個人的には積極的に地域貢献したいと思っています。地域の高齢者に役立つ、介護の場へも貢献したいと、このような思いで新製品であるインカートクッキングの利用面を考え、地域の施設や病院などと実例の積み重ねを行ってきています。

 

岩田:
 企業生存とも絡みますが、今後、3年以内に解決したい課題は何かありましょうか。

 

社長:
 最もプライオリティの高い課題が「在宅食事支援システム」の開発で、何としても3年以内に完成させたいと思います。具体的な開発課題は、技術的というよりは事業化に関したもので、ほぼ見え始めています。といっても、中途半端な資金ではできないので、この点も含めて慎重に検討したいと思っています。

 

岩田:
 さらにその先、例えば5年後あるいは10年後、どのような企業になりたいとある種の願望、夢をお持ちでしょうか。

 

社長:
 夢ですか。それは自社のみが成長する、あるいは発展する形にはなりたくないですね。漆器の産地として地域全体として盛り上げられるように、オープン・イノベーションとでも言いますか、協力体制が生まれればいいなと願っています。単なる産地から新しい食提供ビジネスが生まれることを。幸いにも地域には保守的な状態から新しいチャレンジの雰囲気が少しずつでてきました。それには成功事例の実績を皆に見てもらうことが一番です。変化への一翼を担なえれば、こんなうれしいことはないですね。

 

岩田:
 ところで、社長個人の人生観や人生哲学をお聞かせくださいませんか。また、座右の銘はお持ちでしょうか。

 

社長:
 私の基本は「真摯さ」ということです。他を顧みず、一生懸命に行うことに徹したいということを座右の銘としています。例えば、お客からクレームが来た時、まずは自分たちはどうであったかを客観的に徹底的にそれこそ真摯に受け止め、解決に向かう姿勢を持ちたい、責任転嫁の発想や逃げる態度はとりたくない、ということでしょうか。それとともに、「考えて考えて考え抜けば、必ず答えは見つかる。」これが体験を通してでてきた基本概念ともいうべき考え方です。もちろん不可能なことも失敗することもあることを承知の上ですが。

 

岩田:
 良くわかりました。考え抜くということを私なりの理解で言えば、いわゆる「守破離」における「守から破、破から離への脱皮」へのステップアップのエネルギーを蓄えることではないでしょうか。
 ところで、社長が経営の最終的な意思決定者として、常に考慮すべき視点や事業経営を見る目として、どのような項目をイメージされましょうか。

 

社長:
 常に考慮すべき視点、また事業経営を見る目としては、次のことを念頭に置いています。まずは顧客志向を前提として、
① それは、今後につながるか?利益につながるか?
② 技術的には、他社でもできるのか?弊社だけなのか?
③ 自分たちだけが苦しいのか?お客は苦しくないか? 
 このように考えないと、事業経営は価格的にも性能的にも長続きしないかと思います。

 

岩田:
 今後、社長を目指す若い世代の人々へのメッセージは如何でしょう。
 後継者にもとめられる社長の素養として何が重要でしょうか。ご意見をお聞かせください。

 

社長:
 かって、私共の地域は水害を経験しました。その時の話を思い出します。水害の翌朝、ある人は自分の体が浮いているように感じたそうです。よく見ると畳の上にいましたが、畳は水の上に浮かんでいました。何が起こったのか、一瞬には理解できませんでした。
もう一人の人は、水が天井近くまできて、体は水中に浮かんだり沈んだりしていました。何とか浮かび上がって空気を吸いたいと必死になってもがきました。もがき続けたそうです。何とか窮地を脱して屋根の上に這い上がることができました。
 人生には、また経営にも、予期しない危機に見舞われます。その時、生きるためにはもがくことのみが大切な手段となりましょう。私は思うのです。若い人には「もがく力」をもってほしいと。

 

岩田:
 生きるためには人間は希望という光がほしいですね。たとえ小さな灯でも。屋根の隙間から見える月の光であっても。先輩の経営者の方々が若い後継者に希望の光を照らしてあげてくださることを願っています。
 近年、地域活性化、地域創生ということが国を挙げて言われています。中堅・中小企業の立場から見て、アドバイスあるいはご提言はお持ちでしょうか。

 

社長:
 2016年5月6日、鯖江市が故郷応援宣言を発表しました。そこにIH食器の開発を応援するとありました。鯖江市長は、伝統工芸の活性化にかなり力を入れてくださっており、ありがたい限りです。
 あまり深く考えてはいませんが、活性化しないといけない理由、創生しなくてはいけない理由をいま一度深く考えねばなりません。活性化は与えられるものでなく、自らがまた地域が協力して能動的に生み出していく視点から、と思っています。いつも思います、近隣に住んでいる高齢者の現状を知れば知るほど、何か寄与できないかという感情のざわめきです。

 

岩田:
 最後に、新鋭経営会へのアドバイスあるいは期待はありましょうか。どのような経営者の参画が望まれましょうか。

 

社長:
 私にとっては、お手本になるような経営者が多く集まっていますから、聞くこと聞くことが新鮮です。現在の活動のままで十二分です。大きな刺激を受け続けています。

 

岩田:
 長時間にわたり、貴重なお話を伺えまして有難うございました。私は貴社の事業は、ものづくりを伴った「ことづくり」の貴重な事例、しかも地域発信型ではないかでないかと思っています。貴社の大いなる成功と発展、また、社長のご健勝を祈念いたします。

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